“これが成長するってことなんだ”

90年代から日本のパンクシーンを常に最前線で駆け抜け、今もなお根強いファンから愛され続けているHi-STANDARD

僕が物心ついたときにはもうハイスタは活動休止してしまっていて、90年代のハイスタ含むバンドシーンを、リアルタイムで感じれなかったのですが、当時のハイスタの人気は凄まじかったらしく、そういう話を聞くたびに僕は、「あと10年早く生まれたかったなぁ」なんて思ったりします(笑)

そんな彼らの1995年にリリースされた1stフルアルバム「GROWING UP」

オープニングでは疾走感溢れるギターリフに「今の君なら何でも出来るはずさ」という前向きな歌詞が魅力的なMaximum Overdrive、切ない歌詞とメロディーに、軽快なアップテンポでどこか優しさを感じるドラムが印象的な人気曲Lonely、メロコアらしい高速ビートに、キレイなコーラスで一夏の恋を歌ったライブの定番曲「Summer Of Love」

序盤から[速い、うるさい、短い]というパンクにおいての三種の神器を全て持ってきて、僕たちの耳は印象付けられます。

そして僕がGROWING UPで個人的に一番好きな曲「Wait For The Sun」ミディアムテンポと重厚なギターのブリッジミュートが心地よく耳が喜ぶ曲になっています。なんといってもこの曲の一番は、ギターが歌っているんじゃないかと錯覚してしまうくらい綺麗なギターソロ。GROWING UPをプロデュースしたNOFXのファットマイクや、他のアーティストもこの曲のギターソロは絶賛してるとのことです。

そんな曲のあとは、「Wait For The Sun」の前にも挟んである世界でも有名な曲RAINBOWの「SINCE YOU BEEN GON、Bay City Rllersの「SATURDAY NIGHT」、The Mamas&The Papasの「CALIFORNIA DEAMIN」と中盤は、原曲とはまた違う良さが出ている、ハイスタらしいパンクアレンジした曲を入り交ぜています。

終盤には、新たな生活を一押ししてくれるポジティブな曲「NEW LIFE」や、速いテンポでシンプルかつ少しキュートな曲「Kiss Me Again」などで、リスナーの心が踊るような気持ちになり、ラストはこのアルバムのタイトルにもなっている曲「GROWING UP」

「これが成長するってことなんだ」という歌詞があるのですが、もしかしたら彼らはこのアルバムの製作途中で「これが成長するってこと」に気付いたのかもしれません。でも間違いなく彼らの成長の兆しになっているアルバムだと思います。

「GROWING UP」を聴いて少なくとも僕はそう感じました。

最近改めて聴き直したのですが、彼らの初フルアルバムなのでやはり、バンドマンならではの若々しさや荒々しさがあって、余計なことは考えず素直に聴けますね。

なのでもし気になりましたらぜひ一通り聴いてみてください。

彼らの純粋に音楽を楽しむパンク魂が、きっと心に響くと思います。

投稿者 つばき